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2008年03月01日

危うしタイガーマスク! ブロック塀の巻

CB1



解体予定の現場下見にやってまいりました

ここらへんは少し古い住宅街です
どこのおうちも周囲に高いブロック塀を築いています

ブロック塀の利点は
・耐火性能
・安価
・単工期
です
むかしは今ほど住宅の防火性能が高くなかったので、このように高くブロックを積んだわけです

しかし、このブロックが今や脅威になりつつあります
このおうちのブロックもすでに傾いて来ています

現場の下見をしながら
「ここで大地震が来たらぺっちゃんこになっちゃうな・・・・」
と思いました
もちろん解体時に撤去してしまうつもりです

ブロック塀はつくるのはカンタンなのですが壊すのはとてもたいへんです
かといって地震であっさり倒れてしまいますし・・・

CB2



この写真のようにトナリの家との境に建てられた場合はかなり問題です
壊すにしてもトナリとの話し合いが必要になります

最悪なのはそのブロックがお互いの境界の芯に建っている場合です

解体費用をダレが出す?
復旧費用もダレが出す?
ブロック壊されたら家の中が丸見えになるのはイヤ!

などでダレもが渋ります


法律にはどう書いてあるのでしょうか?

民法223条
土地ノ所有者ハ隣地ノ所有者ト共同ノ費用ヲ以テ境界ヲ表示スヘキ物ヲ設クルコトヲ得
民法224条
界標ノ設置及ヒ保存ノ費用ハ相隣者平分シテ之ヲ負担ス但測量ノ費用ハ其土地ノ広狭ニ応シテ之ヲ分担ス

これが境界について書かれた法律です
非常に読みにくいのですが、それもそうで、できたのは明治29年(1896年)です

「お互いの境界上にお互いの費用で表示する物をつくってもいいですよ」
「境界表示をつくったり直したりする費用はお互い出し合ってくださいね」
と書いてあります

たしかに法律には書いてあります
しかしこの法律ができたのは112年も前です

おどろくことに21世紀のいまになっても
「半分ずつ出して境界つくりませんか・・・・」
と云ってくる隣人がいます

ふつうはそういうお申し出は
「時代に合わないので・・・」と言ってお断りするようにしています

長年経つと息子さん、お孫さんの代に変わるかもしれません
はたまたまったく別のヒトが住むことになるやもしれません
経済的に苦しくなって修理費用が出せなくなることもあります

法律に書いてあることが正しいとは限らないいい例です
それに明治時代にブロック塀はありませんでしたからね

法律のとおりにやってみた結果がこの始末に負えないブロック塀の塊なのです
私たちとしては地震が発生しないことを祈ることしかできません

ちなみにブロックの積み方についての法律も建築基準法の中に出てきます
が、法律が整備されたのはかなり後年になってからです

CB3



ところでこのブロック塀の上には
「アイアンクロー」
がついています
まるで往年の人気アニメ
「タイガーマスク」の反則ワザのようにです(笑)

高さも明治時代(?)の身長に合わせてつくられているので平成時代に生きる
「長身かつイケメン」のワタシの頭の高さと同じくらいです
刺さったらイタそうです・・・・
サイナラー!


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投稿者:エスアイユー常陽ブログ会at 12:32| ■ゲンバのカンどころ! | コメント(2) | トラックバック(0)

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◆この記事へのコメント:

高いブロック塀を見ると、上を歩く小学生や猫が頭に浮かぶね。

投稿者:1$会員: at 2008/03/01 18:33

にゃんぱらりん
キャット空中さんかいてん・・・・

投稿者:タッキー: at 2008/03/11 17:37

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